南米パラグアイの伝統レース編み“ニャンドゥティ”の伝統を守り広く普及させることを目的とする非営利団体です。

ニャンドゥティ職人の糊づけ

ニャンドゥティ作りには、布を張る下準備、糸を選び、デザインを形にする製作段階、そして最後には出来上がったニャンドゥティモチーフを木枠から外していく仕上げ作業があります。今回は普段見ることのできないパラグアイのニャンドゥティ職人の糊付け作業をご覧いただきましょう。

 

パラグアイの気候は亜熱帯性で、夏は暑く、夏季の11月~3月には40度を超える日もあります。逆に冬は降水量も少なく、気温も基本的に温暖ですが、内陸に位置している為寒暖差が大きく、春(9月~10月)と秋(4月~5月)は朝晩の温度差が20度を超えることも珍しくなく、1日の中に四季があるともいわれています。

ニャンドゥティの糊付け作業は晴れた日に屋外で一気に行います。

 

 

パラグアイでは、小さな枠におさまるドイリーから、ドレスやクロスなど、大きなニャンドゥティ作品もあります。

パラグアイではニャンドゥティの糊付けはキャッサバ粉を使います。糊の作り方は、鍋に入れた100㏄の水に4gのキャッサバ粉を入れ、よくかき混ぜたら火をつけ、透明になるまで混ぜ合わせます。手で糊をニャンドゥティにしっかりつけます。広い面に糊付けが必要な場合は布を使用する事もあります。

職人は一枠出来上がるごとに糊付けをしていくことが多いそうです。理由は限られた木枠を再利用してニャンドゥティを作っていくためです。

 

 

大きなニャンドゥティの糊付け風景を見てみましょう。

大きな作品になると、このように分割されて作られ、後に縫い合わせられます。

周りに見える白い布は、縫い合わせられたあと、改めて木枠に張りなおす為につけています。

この布をつけることによってレース部分にたこ糸をかけなくてよくなり、綺麗なニャンドゥティの仕上がりとなります。

こちらはマリア・クリスティーナさんと、そのお母さんのシンドゥルファさん(ニャ・シル)です。出来上がったニャンドゥティの各パーツを一枚につなぎ合わせ、糊付けの為に大きな枠に張りなおしている様子です。

四つ角を糸でとめてからぐるりと張っていく様子は小さい木枠と同じですね。
周りの白い布は木枠にニャンドゥティを張る際、レース部分に糸がかからない様につけられました。
しっかり木枠に張られました。

こちらも木枠に取り付けている様子です。パーツごとに糊付けされていましたが、糊が上手くついていなかったので糊付けをやり直したそうです。

もしも、パーツごとにニャンドゥティが仕上がった段階で汚れている場合は、布ごと木枠から外して洗います。

広い面に糊付けをする時は布を使って効率良く糊付けします。

 

中心の糊付けは難しそうですね。
塗り残しがないように丁寧に糊付けします。

直径190㎝の大きなテーブルクロスです!鮮やかで素敵ですね!

イタグアの街では、ニャンドゥティを専門に糊付けをする職人がいます。

皆さんも是非晴れている日にパリッと糊のきいたニャンドゥティを仕上げてみてくださいね!

後援:在日パラグアイ共和国大使館