南米パラグアイの伝統レース編み“ニャンドゥティ”の伝統を守り広く普及させることを目的とする非営利団体です。

Ñandutíニャンドゥティとは

「ニャンドゥティ」は南アメリカの中央南部に位置する国、
パラグアイ共和国のレース編みです。

その歴史は古く、16世紀に遡ります。スペインから布教のためにパラグアイを訪れた人々が、宗教と共にヨーロッパ文化を伝えました。そのうちの一つにニャンドゥティの原型となるレースがあったといわれています。

蜘蛛の巣

放射線状に丸く編まれた白糸(生成)のレースは、南アメリカ先住民族の言語「グァラニ語」で「ニャンドゥティ(Ñandutí・蜘蛛の巣)」と呼ばれるようになりました。「ニャンドゥ(Ñandú)」が蜘蛛で、「ティ(tí)」は白という意味があり、直訳すると「白い蜘蛛」となります。スペイン語で「テラ・デ・アラーニャ(Tela de araña・蜘蛛の布)」といわれることもあります。

各家庭で親から子へ伝承

350種類以上のモチーフデザイン

各家庭の親から子へと大切に伝承されてきたニャンドゥティ・レース。現在350種類以上あるといわれるモチーフのデザインには、パラグアイの文化や自然、身近な生活に寄り添うユニークなものが多くあります。また色糸の登場によって、自由で鮮やかな配色・繊細なグラデーションなど、その特徴は他のレースには見られないものとなりました。

作り方の概略

布に刺した土台の糸に編み込む

木枠に張られた布に、土台の糸(織物に例えれば縦糸)を刺し、そこに別糸で布を織るような要領でかがりや結びを施し模様を編んでいきます。木枠に張ったまま糊づけをして、乾燥後布からレースを外して仕上げます。

主な生産地は「イタグア・ピラジュ・ウパカライ」

ニャンドゥティは、首都アスンシオンから東に30Kmほど離れたイタグアという町で作られているものが有名ですが、ピラジュやウパカライなどでも生産されており、イタグアのものとは異なった作風を持っています。 イタグアの国道沿いには多くの店があり、100人ほどの職人が民族衣装やインテリア、近頃は普段使いの服飾品やドレスなどの生産に励んでいます。

作り手の多くは女性

後継者不足が年々深刻化

作り手の多くは女性ですが、高齢化と後継者不足が年々深刻化しており、伝統の継承に大きな不安が生じています。ニャンドゥティの需要度を高めるため近年パラグアイ政府では世界にその魅力を伝える活動に力を入れています。

まだ広く知られていないニャンドゥティですが、
特に初めて目にする方には
驚き感動
与えてくれる
未知のレースではないでしょうか。

ぜひ多くの方々に興味を持っていただきたいと願っております。

後援:在日パラグアイ共和国大使館